平気で自分の飼い犬・飼い猫を殺す人々
足利事件を報じた6月4日付朝日新聞夕刊の三面に「犬猫処分とどまって」の記事。
福岡県は犬猫の殺処分が3年連続で全国ワースト1だという。2007年度の殺処分数は犬が4891匹、猫が11465匹で犬の4〜5割、猫の約6割が飼い主による持込という。
長年飼ってきた犬や猫を物を捨てるように殺処分する人間が日本中にゴロゴロいるのである。
「かみつく」「鳴き声がうるさい」「引っ越しで飼えなくなった」等の理由で持ち込むらしいが、どれも正当の理由にはなりえないであろう。
噛み付くのも鳴き声がうるさいのも自分の躾能力が駄目なのであって、殺してよい理由にはならない。引っ越しがあるのか、ないのか、最初から分かっているだろう。引っ越し先に連れて行けばよいではないか。
それよりも自分が飼っていた犬や猫をよく平気で殺せると思う。島根の甥が住んでいた家の家主は元教員で、そこも飼っていた柴犬を気性が荒いからとかの理由で殺処分したという話を聞いたが、何か考え方が変ではないか。
時代の風潮か。人間全般がゆとりがなくなり、人にも動物にも愛情が掛けられなくなったのであろう。
犬猫を殺処分する人間とは、自分勝手で愛情の薄い人間であると思う。
福岡市東部動物管理センターによると、動物病院で安楽死させるように頼んでも連れて帰る人間はほとんどいないという。犬猫が死んでいく最期や死体を見たくないという自分の理不尽な我儘のみを貫こうとする飼い主達。要するにこういう飼い主は我儘、自分勝手なだけなのである。
ちょっと可愛いときは楽しんで、可愛く感じられなくなったらさっさと殺処分。生き物をゲームか、おもちゃとしか考えていない異常性。要するに生き物と玩具の区別が付いていないのではないか。時代の風潮か。ゲーム世代だけかと思ったら年寄りもやってるし。
こんな愛情のない人間が福岡だけでも山ほどいる、教育者の中にもいることを考えると恐ろしい世の中になったと思う。
(2009年6月7日 記)